第2回レポート:図解でモデル事業の内容説明

「移住者の定住ケアと集落の主体性を構築するための空き家ゼロチャレンジ宣言集落サポート事業」
(国交省 令和3年度 住宅市場を活用した空き家対策モデル事業)

第二回レポート

【テーマ】図解でモデル事業の内容説明
【キーワード】
・なぜいま集落なの?
・いざ災害プロジェクトは過去の反省から
・定住へのステップを集落ルールブックプロジェクトにて

テキスト版

皆さんこんにちは、ふるさと福井サポートセンター理事長の北山でございます。今日も宜しくお願い致します。

モデル事業の第2回目のお話しです。先日お話ししました国交省のモデル事業、正式に言いますと「令和3年度住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」の採択を受けましてこのレポートを動画で配信していこうかなというふうに思っています。

2回目ですので内容を深くお話ししたいなというふうに思います。補助事業の名称は住宅市場の中でも1番に関する「空き家に関する相談窓口と民間連携を行う事業」ということで私たちの出した事業名は「移住者の定住ケアと集落の主体性を構築するための空き家ゼロチャレンジ宣言集落サポート事業」という名前です。これは前回もお話ししましたね。

さっそくその内容に入っていこうと思うのですが、詳しい図解にしたものこれは国交省の応募資料の中にも入れました。これを見ていただけると分かりやすいですので見ていただきましょう。では出しましょう、こちらです。(図解)ということでこの資料に沿って行きますと取り組みの背景と目的というところがございます。

我々の活動拠点は福井県美浜町です。応募するときに地元だけなのか全国に広げるのかエリアを指定していかなくてはいけませんので、あくまでも我々は地元の美浜町のみのお話しです。空き家マッチングツアーというのを年に3回ほど我々はさせていただいているのですが、今度の8月29日で19回目。そこでの課題は物件が少ない。少ないというのは、物件はあるのですが使える物件が極めて少ない。逆をいえば放置されているものが多いという側面があります。

原因は深く掘り下げていくと所有者の方の決断が遅いというところで難しいと。そのためには所有者の方の早期決断が大事ですよというお話しをテーマに活動を続けております。

その中で、マッチングするときに登場人物は所有者の方と利用者の方のマッチングをしていますと。左の図にあるように私たちがお手伝いする、行政の方もそうですがお手伝いをさせていただいて所有者の方と利用者の方を引き合わせる。そして我々がマッチングした後に集落の方に繋いでいました。しかしそれはあまり上手くいかず、もちろん集落の方の理解はいただけるのですが情報としてずいぶん後に集落の皆さんに伝わるわけです。集落の皆さんは非常に敏感ですから、「空き家を誰かが見に来ている」というような話はいち早く広がっていくわけです。

そうなると変な噂だけが走ってしまって、本当か嘘かわからない話が飛び交ってしまうわけです。そうすると入ってきた方が非常に繋がりにくくなってしまう。その人がいい人か悪い人かは置いておいてコミュニケーションがうまくとれないことがたまにあるのです。これを解消しないと難しいなと。

ではどうしたらいいのかということが今回の事業のテーマです。そのためにはどうしたらいいか、原因を突き詰めていくと集落のマッチングに対する関わり方が遅いからいけないので、もっと早い段階から集落の皆さんとコミュニケーションが取れると非常にいいのではないかというのが我々の仮説です。

それを実証するために今回のモデル事業を行うという流れになっています。なので、今回は私たちが主体性をもってマッチングするというのではなく、そこはもう卒業してそこを集落の皆さんに担っていただこうと思っています。

ですが、これは非常に難しい。集落の皆さんがそんなに空き家に対して理解があるとか、移住者の方に対してすごく理解があることはそれぞれの地区によって違いますし、温度差もある。しかしこれから空き家であったり人口減少であったりと社会問題がどんどん増えていく中で、「ここままではいけない」と「何とかしないといけない」という方も非常に多いわけです。こういう前向きな集落の皆さんにぜひ協力をいただいて、集落自体にある空き家をまずはゼロにしませんか?と。ゼロにするのは難しいですし、年々空き家予備軍も増えていきますし、ひとり暮らしの方が亡くなればもうそこは必然と空き家になってくるということがありますので、どんどん増えていきストックも多くありどうにもならないところもあるのですが、ともかくゼロにしていこうというチャレンジを宣言していただこうというのが今回の目的の1つです。

先ほども言いましたように、集落の方が空き家をマッチングするとき、もしくは前段階から主体として情報もある程度お渡しして引き合わせの場所にも来ていただいて、もちろん我々もサポートしますが主軸として動くのは集落の方になっていただこうではないかと。そうすることによって所有者の方との関係性も出来ますし、移住者の方との関係性も出来ます。そして心の準備もでき、もっというとこれから出てくるであろう空き家の問題も自主的に考えられる。いわゆる成功事例を今回味わっていただこう、体験していただこうというのがもう1つの目的になります。

ただ「主体的に頑張っていこう」と言ってもそんな簡単なものではないということは分かっていますので、何かのきっかけづくりをしないといけないと思っています。

今回の事業で2つメインのプロジェクトがあって、1つは所有者向けのプロジェクト「いざ災害プロジェクト」というものがあります。

これは過去の私たちが、「あの時何もできなかったな」という思いがあるのです。それは東日本大震災の時です。ご存知かもしれませんが福井県美浜町は原子力の町でもありますので、同じく福島で原子力の事故があり福井県に避難してくださいという時に、行政の方を含めて「北山さん、受け入れをするためにすぐに住める空き家はどれぐらいありますか?」という調査があったのです。ここは力を発揮しないといけないと思っていたのですが、活動を始めてまだ間もない時で掘り起こしの準備段階ぐらいでしたので、結局ご紹介する物件がなかったのです。

集落もそこまで空き家に関しては問題意識もそこまでありませんでしたので、ご提供できる物件がほとんどありませんでした。ただその後に所有者の方とお会いするきっかけがポツポツと出てきたときに、この話をしたのです。「実は災害があった時に受け入れをする家を探していたのですが」といったら「北山さん、もっと早く言ってくれればご提供したよ」とそのあと聞いたのです。やっぱりタイミングだなと思いました。

その時に何が不足していたかというと所有者の方とコンタクトをとるという繋がりがなかったのです。これは空き家のマッチングもそうですが、タイミングが1番大事でその時に声かけする関係性があれば、もし何かあった時にでも対応できるのではないかと思ったのです。今後南海トラフ大地震などが太平洋側で起きたとしたら、どこに避難するのかとなった時にきっと日本海側でしょうね。我々の地域側が受け入れをしていかざるを得ない。その時に東日本大震災のように「ごめんなさい、物件が無いのです」ということがないようにしたいなと思いましたので、いざ災害が起きた時に所有者の方に「貸してもらえますか?貸してもいいよという意思がありますか?」というのを今の段階から集落の方と所有者の方とコミュニケーションを取ってもらおうではないかと。あくまでも使うか使わないかの意思表示ですから、使える使えないは次の段階でまずは意思としてあるかないかを我々ではなくて、集落の皆さんに確認してもらうというのが「いざ災害プロジェクト」というものです。

一方で移住者の方にとって不安な要素というのは、集落でうまいことやっていけるかということです。都会や都市に住んでいる方は集落や町内会の行事であったり祭りであったりいろんなことがあるのではないか。それが明確になっていないので判断のしようがない。絶対にいかないといけないものと、そうでないものはきっとあるだろうとイメージはするのですが量と質が明確にならないので、とりあえず1回行こうといっていくのですが、参加しないといけない行事などがたくさんあり難しいと言って離れる方もいらっしゃいましたので、まず入る前にうちの集落はこういう行事があるので、「これは絶対参加してほしい、これはどちらでもいいです」ということが表明できるように文章化していただこうと思っています。これが「集落ルールブックプロジェクト」今まではそんなものはなかったのです。どちらかというと口伝えでなんとなくみんなの流れで明文化する必要もなかったですし、誰かに見せる必要もありませんでしたので、今回移住者の方に見ていただくことを目的にルールブックを作っていただこうかなという2つのプロジェクトを用意しました。

ここを順次集落の方にご協力をいただきながら、最終的にこのプロジェクトを2~3の集落の方に協力をいただけたら合格ではないかなと自分では思っています。この申請書にも書きました。ただいろいろ考えたら37集落あるのです。37集落の内の2~3はどうなのかということもありますので、少し高めに目標数値を5でいこうかなと思っております。

ですので、今7月事業は開始しておりますけれども、事業の終了が2月末です。2月末までに「5の集落の方が空き家ゼロチャレンジ宣言をしました」という報告がこの動画でお伝えできるように取り組みを頑張っていこうかなと思っています。随時お知らせいたしますので、ぜひ楽しみにしていてください。

この動画はいい形だけをお伝えするというのは考えていません。いいことも悪いことも全部ひっくるめて出していこうと思っています。我々がそういうやり方なのです。課題がない事には次の手は打てませんのでとりあえず目標を立て、立てた後に目標を達成するための対策を作り、これをやっていったら次の問題も出てきて解決していくと。いいものが生まれることもあれば逆にこれは出来なかったということもありますので、このへんは包み隠さず皆さんにお伝えしていこうと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

ということで今回2回目このお話しをさせていただきました。次3回目は具体的に申請書に沿ってどんな細かさでどういうふうに取り組みをやっていくのかということを、いくつかのポイントを交えながらお話ししていこうかなというふうに思っております。また次回もお楽しみください。ありがとうございました。

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