空き家対策担当者、移住定住担当者のみなさんへの提言

空き家担当と移住担当は今こそ手を結べ!

縦割り行政の仕組みが故にどうしても部署が分けられる。
最近では横の連携という表現もあるが、実際にはうまくいっていないことの方が多い。

担当が違えば何をしているかさえも分からないという声も実際にあちこちで聞かれる。

これがいいか悪いかという話ではないが、できたら連携された方が効果は上がると常に思ったりしている。

ただ、今回提言させていただいた点は、もう必須という言葉しか出てこない。

やるやらないというよりも、ぜひ取り組んでいただきたい事だからだ。

なぜなら現場ではこんな声が多く聴こえているからだ。

「空き家はあるのだけど、空き家がない」

なんとも不思議な言葉だがこれにはとても深い意味が隠されている。
空き家調査では、多くの空き家が確認できている。
しかし、使える空き家や流通に出てくる空き家が極めて少ない
ということを表している。

私たちふるさぽが10年活動をしてきてこの場面に直面するのは移住相談の時が一番多い。

「田舎暮らしに憧れて移住を考えているのですが、住む場所はありますか?」

という相談に私たちはこう答えるしかないのだ。

「今、ご紹介できる物件がないんです」

相談者はとても不思議がるのですが、現実相談されるタイミングで適切にご紹介できる物件確保ができていない。

その原因はいくつか考えられるが、所有者自身の決断の遅さが挙げられる。
すぐにでも住める段階で放置。
時間を経て解体を余儀なくされる段階になり、売る貸すという決断をし、流通へのチャレンジを試みる。

このパターンでうまくいく例はほとんどない。

できれば早期決断をしていただけるとマッチングにつなげやすいのが現実だ。

ただ、所有者のみなさんは物件を流通に出す経験がほとんどない。
不動産をたくさん所有している方もいらっしゃるが、これはほとんど資産運用していらっしゃるいわゆるプロの部類だ。
では経験のない方は何からはじめていけばいいのか?
大事なポイントは「きっかけ」になる。

「きっかけ」の代表格は、「利用したい!」という声だ。

つまり移住希望者の声だ。

計画的に空き家のマッチングを成立させるには、
1.定期的な双方の情報交換
2. 所有者への情報提供がポイントと言える。

空き家担当の部署と移住担当の部署が連携することにより、期待されるのは空き家担当への定期的な移住呼び込み計画の共有。これによってこの時期に移住相談件数が増えるというイメージがつきやすい。となると前もって所有者の方への情報提供が可能になる。逆に移住担当者のみなさんには、今現在使える空き家(ここが大事 使えない空き家は流通しにくい)の数を把握することができる。移住フェア等で移住希望者に適切なアドバイスができる。空き家バンクの紹介という手もあるが、どの自治体もそうだが、空き家バンクの登録が極めて少ない。もっというと空き家バンクに上がってこない、いわゆる空き家バンク予備軍なるものの存在も結構あるからだ。

せめて情報交換をするだけでも大きく変わる空き家問題と移住定住対策。
連携が必要になる時代が、もうすぐそこまでやってきている。

まず手始めとして、空き家対策(推進)協議会と移住定住(促進)協議会を合同開催してみるのはいかがだろうか。