いままでの流れ
実質的に存在する空き家が世の中に出てこないという現状にあわせて、これから空き家になるであろう物件についてもしっかりと考えていかなければ、根本的問題は解決していかないだろうと考えて、特に『空き家予備軍』と呼ばれる情報を誰が一番詳しく持っているか検証しました。結果、地元の社会福祉協議会の情報が深くかつ広い情報を持っているということが分かりました。さらに彼らの協力は空き家の情報を確実に捕まえるためにも大切なパートナーでもあると考えました。
単身高齢者の方といちばん深い関係であるのがケアマネージャーであると考え、彼らから今ある情報を提供してもらえないかという打診をしました。ケアマネージャーとの個別ヒヤリングも回数を重ねてきましたが、そこで問題が生じました。ケアマネージャーの立場上、個人の所有物に対する家の行く末について意見することはできないという点、こうした方がいいですよという助言もなかなか難しいという意見がでました。さらには、空き家問題が深刻化しているとはいえ、今取得している情報を簡単に出すことはなかなか難しい。
そこで、私たちは、やはり空き家問題に関しての情報提供は、ケアマネージャーの協力からは得られないのかと出発点に引き戻されました。
しかし、発想の転換であることに気づきました。
それは、「今ある情報じゃなく、これから出てくる情報を一緒に考えていく」こと。
これなら問題共有をしながら前に進めるのではないかという考え方に行きつきました。
社会福祉協議会との空き家勉強会
空き家の情報を共有するという点のほかに、私たちはもう一つ問題を抱えていました。それは仮に情報が集まったとしても、所有者と社協との関係があるからこそのコミュニケーションであることは理解していて、さらにはじめましての私たちが所有者とさらに新しいコミュニケーションをとるということは、実はとても時間がかかります。そこからさらに所有者からの信頼を得ることも必要になります。
そう考えると、所有者が信頼する人からその場でよいアドバイスをもらえることが大切であり、今必要なのは、その信頼する人が正しい情報を持って、しっかりと所有者に伝えられるスキルをもつことだということに気づきました。
そこで私たちが起こした行動は、「社協職員全員のみなさんに、空き家に関する情報の勉強と所有者のコミュニケーションスキルをアップしてもらう」ことです。
勉強会では講演とワークを行いました。そこで気をつけたのは、「正しい情報を正しく伝える」ことと「自分ごとして考える」ことでした。
勉強会を通じての副産物もありました。それは、すでに彼らの目の前に起こっていた所有者とのやり取りでした。たとえば、移動中の車の中で相談を受けたりしているということも表面化されました。
これからの動き
今回の勉強会を通じ、さらに空き家マッチングに興味ある方や空き家で困っている集落、空き家問題と福祉に関する部署や、警察や消防といった公的に空き家の情報共有を必要とする部署に対して、深くヒヤリングを行えるようなワークを行います。
社会福祉協議会のみなさんに行った勉強会の様子は、下記のアドレスからご覧ください。
https://youtu.be/auQ_wJ5cRRw