ふるさぽレビュー:川上玲子氏(北欧建築・デザイン協会会長)

古い空き家が伝統を生かした新しい空間になるのではないかと思います。

元公益社団法人日本インテリアデザイナー協会理事長
北欧建築・デザイン協会会長
川上玲子さん

北山さん率いる「ふるさと福井サポートセンター」の皆さま、第10回地域再生大賞」受賞おめでとうございます。

今から7~8年前だったでしょうか「空き家が多く存在するふるさとの再生」に関してお話を、とのことで東京までお越し頂き初めて北山さんとお目にかかりました。私が所属する「公益社団法人日本インテリアデザイナー協会」では暮らしを豊かにするインテリアといったようなセミナーなども行っていましたので、古い空き家のインテリア再生等について熱心にお話されていたのを思い出します。福井は世界に誇れる和紙の産地でもありますので、ふるさとを愛する人々によって古い空き家が伝統を生かした新しい空間になるのではないかと思います。

昨秋フィンランドのフィスカルス村を訪れました。その村は1980年代に廃村となりましたが、アーティストや工芸家が古い家を買い取り住み移ったことで、今や人口600人の村にガラス作家や陶芸家、家具工房を訪れる人たちが10万人を超える人気の村になりました。人里離れた静かな村が新しいデザインを生み出す活気に満ちた村に人々の熱意で生まれ変わったのです。その村を訪問した際に福井の北山さんを思い出しました。

やはり北山さんの熱意が認められた今回の大賞だと思います。本当におめでとうございます。